『永遠の伝奇小説BEST1000』は、私の愛読書。
今から20年前に学研M文庫から出版されたものですが、テーマ別・作家別にそれぞれの選者がベスト50やベスト10を選び、総数1000作品のおすすめ伝奇小説を挙げているというブックガイド(実際には、選者同士のダブりもあるので、1000作品はないけど)
ちょっとだけ読んだり、パラパラ読みにも適しています。
テーマが「西洋神話」とか「古代・中世・日本伝奇」もあり、聞いたこともない(というよりも手に入らない)ような作品も多数あるが、想像力をかき立てられます。
さて、それを受けて自分なりの伝奇小説ベストを選んでみました。とはいっても、古典はもちろん、近年のものもそれほど読んでいないので、この本には遠く及びませんが、まあ、お目汚しに。
油断すると、ラノベと伝奇の区別が付かないことになりかねないですが、現代において、ラノベを外すわけにはいかないでしょう。
単に面白いとか、ではなく、私のイメージとしての伝奇らしさを追求すると、
①上遠野浩平『ブギーポップは笑わない』は外せません。
➁山形石雄『六花の勇者』ファンタジー色が強すぎる気もしますが、傑作です。
③秋山瑞人『DRAGONBUSTER』は絶対おすすめ。ただし、未完なんですよね。(他の秋山作品はSF力が強すぎてあまり伝奇っぽくないんですよ)
④うえお久光『悪魔のミカタ』。この作者は引退してしまったんでしょうか?これだけの傑作が書けるのに。
⑤西尾維新『化物語』は、まさに「奇怪」を伝えるという伝奇そのもの。
⑥奈須きのこ『D・D・D』。「空の境界」の方が伝奇小説として有名ですが、未完のこの話が断然おすすめです。
ここまでラノベ(寄り)の作品でしたが、少し離れて
⑧山白朝子『エムブリヲ奇譚』。あまりにも美しい怪談物。
⑨汀こるもの『ただし少女はレベル99』。コメディとシリアスのバランスが見事な魔法少女(?)もの。
⑩津原泰水『11』は絶対に外せません。SFとも読めますが、そんな理屈を超越する最高の短編集です。ああ、でも「綺譚集」も外したくない。