現代中国の本格ミステリは初めて読んだが、結論から言えば、面白かった。
秘密めいた富豪の一族。連続して起きる不可解な殺人。密室とそのトリック。変人名探偵。ラブロマンスやギャグ。意外な犯人。オカルト。
ディクスン・カーにも匹敵する内容だと思う。
肝心(?)の密室トリックも、少なくとも「パクリだ」といわれることのない、空前絶後とまでは言わないが、オリジナリティあるトリック。
ところどころにある日本の芸能・アニメへの言及やくすぐり。
読みやすいエンターテイメント。
ただ、ほんの小さいが物語上のキズとも言うべきか雑なところがあるが、それが多すぎるのが気になるところ。
色々詰め込みすぎてバランスを崩している。
妙に気になるが、名探偵が人気漫画家で、ヒロインは(アニメの)声優。中国のエンタメ事情って今、実際のところどうなっているの?