19世紀・怪物専門の探偵・不死の生首少女・吸血鬼・人狼・シャーロックホームズ・怪盗ルパン・オペラ座の怪人・対するM教授、カーミラ、クロウリー、そして切り裂きジャック。
ひとつでも物語を支えられる要素をこれでもかとぶち込んだ伝奇ミステリシリーズの4年半ぶりの新作です。
1巻と2巻の間が1年ほどだったのに・・・。2巻のラストが明らかに引きだったのに・・・
そんな読者のフラストレーションもようやく解消。
ガジェットはラノベですが、骨格が本格ミステリという名作です。
特殊能力者同士のアクションシーンもありありで、とにかくキャラ立ちが素晴らしい。
主役の「鳥籠使い」一行も魅力的ですが、押しは<ロイズ>かな。怪物断絶を謳う、超常能力武闘派集団の保険屋さん。かませ犬の評判に負けるな!
そしてそんなガジェットを吹き飛ばすほどのミステリとしての骨格。
「犯人は人狼だから」と何でもありにせずにしっかりと伏線と手がかり、そして言われてみればこれしかないという犯人特定のロジック。
堪能させていただきました。