第一巻発売が20年前でした。
なるしまゆりといえば、「少年魔法士」か「原獣文書』が代表作だと思うのですが、その合間を縫うようにいつの間にか始まり、いつの間にか全5巻で完結していたホラーサスペンスです。
タイトル通りの吸血鬼が主人公ですが、物語が進むにつれて、全体を通してホラー的に謎が謎を呼びます。
特命悪魔祓い師VS悪霊という少年漫画のような展開を全面に押し出さず、エロティックな雰囲気や描写も含めて、ストーリーは分かりそうでやっぱり良く分からないけど、面白いからいいや、というところも含め、ホラー作品としては正統派と言えるでしょう。
別段、打ち切りにあった訳ではなさそうですが、そのわりにはストーリーはあまりすっきりしないものを残しますし、謎が残る部分もありますが、キャラクターに重点をおいて、人間関係さえ描ければ、万事OKというのは、漫画らしいといえば漫画らしいでしょう。
読み飽きたなと思いながらも、なかなか手放せない作品です。