シロクマあいすの日記

シロクマあいすの思いつきを書いたものです。

小説「県知事選挙」

今回のC県知事は県民に混乱をもたらした。

10人以上いる候補者のうち、まともな政策を発表したのはわずかひとり。

「C県を夢の国に」

「病気になっても薬は飲むな」

「私の似顔絵を書いたお札を発行する」

「他県の知事と結婚します」

「すべての県民に毎月10万円ずつ支給。代わりの他の福祉を全廃します」

などなど。

今までは、知事など誰がなっても同じだと、政治に興味などなかった有権者が大部分。前回までは投票率は驚異の5%。

しかし、今回のあまりにもあまりな候補者の政策にほとんどの県民がびびった。

今回、自分が投票せずに、一部の有権者に任せたら、まかり間違ってとんでもないやつが当選してしまうかもしれない。

今回ばかりは投票しよう。

あわてて有権者たちは投票に向った。

 

男がふたり、会話している。

「それにしても今回、うまく行きましたね。何人も雇った甲斐がありましたよ」

「ああ、お陰で下がりに下がっていた投票率が劇的に跳ね上がったな」