シロクマあいすの日記

シロクマあいすの思いつきを書いたものです。

藤田和日郎『読者ハ読ムナ(笑)』を読んで

藤田和日郎といえば、「うしおととら」や「からくりサーカス」などの30巻超えの漫画を少年サンデーで連発する人気マンガ家ですが、何がスゴいって、彼のアシスタントがことごとくマンガ家デビューをしていることですよね。

どれほど「師匠」として一流なんだよという話ですが、この本は、そんな藤田和日郎の創作論です。話し言葉を使い、架空のマンガ家のデビューまでを描くという形をとることで、とても読みやすくなっています。

ひさしぶりの再読ですが、とにかく漫画だけでなく小説でも、なんでもストーリーを創る人なら必須というぐらい素晴らしい内容です。

 

さて、話は変わりますが、最近みるテレビ番組で「まんが未知」があります。芸能人原作者と実際の漫画家が一緒に短編を創る様子を映すドキュメントバラエティーですが、その中にお笑い芸人の宮下さんが、実の弟と一緒にプロ漫画かデビューを目指すという連続企画があり、その中で藤田和日郎にアドバイスをもらうという回もありましたけど、この『読者ハ読ムナ(笑)』を読むと、この中で、「やってはいけない」といわれていることをことごとくやっていて、笑わせてくれます。

編集者に「これは改善しましょう」と言われたことを、「私の真意は」とか自分の気持ちを語ってしまい、挙げ句の果て編集者から「こちらのいったことがまったく活かされていないですね」とかいわれてしまうシーンは、実は全く同じ内容が書かれていて、「すごい」と素直に思いました。