シロクマあいすの日記

シロクマあいすの思いつきを書いたものです。

ちょい古漫画の再読。植芝理一『夢使い』

「民俗伝奇」✕「特撮戦隊物」✕「ロリエロ」という異色作。

全6巻を3巻ずつ2話で終わってしまったのがあまりにも惜しい(番外編的な短編はありますけど)。

偏狂的に細かな絵と、ちりばめられたオタクネタ。個性的すぎるキャラクター(酒飲み女子高生やロリコンイケメンなど)たちが、摩訶不思議な事件に立ち向かい、最後は合体技(ドリームサイクロン!!)で巨大な敵(水蛭子=日本神話のヒルコ)を倒します。

台詞回しも良い意味でアニメ的で格好良すぎる。以下、一押しの決め台詞。

『ぬばたまの闇より来たりて うつつとならんとする悪夢よ! 夜の禍とともに夢へ還れ!』

しびれる!!

 

話変わりますが、植芝理一作品と言えば、伝奇アクションから恋愛からギャグまで自由自在に作風を変えた『ディスコミュニケーション』はともかく、この傑作『夢使い』を経て、その後は良くも悪くもちょっと変わってはいても、あくまでも日常(?)の恋愛漫画の『謎の彼女X』や『大蜘蛛ちゃんフラッシュバック』へと移行してしまうのは、正直残念。